三村ニューバランス誕生ではじまる本当の薄底VS 厚底 〜シューズアドバイザー日記〜

  • 2018.01.20 Saturday
  • 08:53

みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー藤原です。

 

いやあ、11日ビックリした方も多かったはずです。あのニューバランスが三村仁司氏と専属アドバイザリー契約を発表しましたよね。

 

ニューバランス専属アドバイザリー契約をした三村仁司氏

 

元「アシックス」の靴の名工として活躍され、黄綬褒章受章後、今度は「アディダス」とアドバイザリー契約を結びました。その時もビックリでしたが、今回は”よりによって”あの「ニューバランス」です。もう確実性の高いうわさとして業界では予想されていましたが、昨年1月に発表したハンゾーシリーズの”SRT”のコンセプトが、すでにアディダスの”セン、レン”のコンセプトに極端に近かったこともあり、ハマるのはニューバランスかなと言う感じはありました。

 

では、何故“よりによって”なのでしょうか?

 

ニューバランスは、1906年創業の老舗ブランドで、そもそもは鳥の3点支持歩行から着想したアーチサポートの会社。ニューバランス(新しいバランス)という一度は使ったことのありそうなシャレも本当のエピソードです。1960年代に世界ではじめて量産シューズで「ウィズ」と「レングス」を用意したブランドとしてあまりにも有名です。

 

そして、2000年に入って、ニューバランスがシェアを伸ばしたとき、どのブランドもアメリカではこぞって「ウィズサイズ展開」をしていきました。あのナイキですら、ウィズサイジング展開をはじめるなど、今ではアメリカでスタンダードなサービスとして定着しています。

 

つまり、シューズが足長(レングス)と足回り(ウィズ)で選べるので、どなたでもフィットしやすくなる環境を作ったのがニューバランスで、ですから契約アスリートでさえ、カスタマイズする必要なくフィットし既製品が提供されていました。

 

ルーマニアのオリンピックメダリスト、「リディア・シモン」や元世界最高記録保持者アメリカの「ハリド・ハヌーシ」だって、当時RC150やRC800など既製品を履いて、数々の偉業を達成しました。

 

だから「よりによって」なのです。

 

“既製品でもアスリートに対応できる“というブランドイメージを180度変えるようなカスタマイズの名工三村氏との提携。これは果たして前進なのでしょうか?

 

ナイキが昨年春提案した、ベイパーフライ4%などの厚底スタイル。先のニューイヤー駅伝や箱根駅伝でも画面を独占しました。東洋大学なんかは2名を除きベイパーフライ4%でしたからね。今まで、レーシングシューズには“接地感”を重視する日本式レーシングに対する、言わば”アンチテーゼ”のようなシューズです。

 

では三村氏が作るシューズはというと、接地感の重視する、それの代表のようなシューズ。「アシックス」の旧スタイルのソーティーマジックのソール(時にはターサー)に「アディダス」のタクミアッパー、それに「ニューバランス」のマークを付けたモデルが、元旦の発表に続く、ニューイヤー駅伝や箱根駅伝で早速露出されました。

 

ニューイヤー駅伝では、元山の神、神野大地選手、箱根駅伝では青山学院大学で唯一スポンサー以外のシューズを履いた下田裕太選手などが履いていた青地に黄色い補強が入ったニューバランスのシューズが目立ちました。その箱根駅伝では、シェアは急拡大。2017年の0.02%シェアから12.4%シェアになり(ミムラボシューズ含む)、これは、単純にアディダスからニューバランスに”移籍”したことが大きく、アディダスはシェアを、23.3%→ 16.7%に後退しています。

 

三村ニューバランス1号

 

つまり、ニューバランスは、三村仁司氏を専属契約とかわすことで、結果的に” 選手を買った ”わけです。

 

企業買収と同じですね、育てるには時間がかかるので、それを買ってしまう、ということです。昨年まで箱根駅伝は、上武大学、拓殖大学2校と契約と結んでいるのにも関わらず、2016年3人、2017年4人の使用率でした。なかなか履いてくれる選手が増えなかったわけです。そして、三村”信者”は、女性アスリートが多い傾向ですので、これからマラソンなどでも露出が相当増えてくると思われます。ニューバランスとしては、思惑通りなのかもしれません。

 

ただ、何度も言いますが、それを引き換えにする代償も少なくないのではないかと思います。あのRC150みたいな、三村ニューバランスですが、誤解を恐れず言わせてもらえば、いわば“バッタ物”と紙一重です。中国の工場であれを勝手にやれば“バッタ物”、靴の名工がやると“カスタマイズ”と呼ばれます。

 

アシックスソール+アディダスアッパー+Nマークのシューズは、公式に発売されるものではなく、三村氏お抱えの選手のカスタマイズ用のようです。あのようにニューバランスプロダクトと言えないものが、まかり通ってしまうのですから、すごい状況です。

 

アディダスでは、タクミシリーズに頑なに、ブーストフォームを入れることを反対していたという三村氏、そんなエピソードを聞くと、ニューバランスもどこかでぶつかってしまうことは目に見えている感じもしますが、とにかく、カスタマイズは既製品がカバーできない範囲をカバーするものであるべきです。

 

既製品のクオリティーを尊重するようなブランドの選手販促が増えてきている状況下、カスタマイズがクローズアップされるこの提携は、ニューバランスのブランドイメージとも危険な賭けのような気がします。

 

「前足部10mmのスタックハイトをもっと薄くするんだ!」みたいに選手の脚力重視のシューズを作る三村氏。ナイキがこれだけイノベイティブなイメージのものを提案してきたタイミングなだけに、とても象徴的に薄底VS 厚底になってしまった感もあります。

 

実は選手のスパイクは、3Dプリンターでのフルカスタマイズをいち早くとり入れたニューバランス、これからどう先端技術とこの職人技を融合させていくのか、アシックス、アディダスが出来なかった「名工三村氏のアナログ的技術データのデジタル化」。これを自社データー化ができれば、今回の買い物はとてもリーズナブルなものになるでしょうね。

 

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