アメリカオリンピックトライアルにみるシューズの多様性〜シューズアドバイザー日記〜

  • 2020.03.04 Wednesday
  • 18:43

みなさん、こんにちは。藤原商会代表:シューズアドバイザー藤原です。

 

先日の東京マラソンは、新型コロナウィルスの影響でエリートのみの開催でした、出場が決まっていたランナーは残念でしたね。わたしも準エリートで出場予定でしたのでお気持ちは察します。どこにこのストレスを発散させていいのか、今糸が切れた凧の状態ですよ。

 

そのエリートは、ナイキ・大迫傑選手が、2時間5分29秒の日本最高記録で他の日本人選手を寄せ付けない圧勝。東京オリンピック代表の座をほぼ決めましたね。4位に追い上げた終盤の走りは外国人ランナーも含めても凄かった。

 

 

さて、その東京マラソンのエリートのシューズ事情の方は、どうだったでしょうか?

 

WA/ワールドアスレティックス(国際陸連)が定めた厚さ40mmなど新レギュレーション発表以来、ナイキヴェイパーフライネクスト%が実質認められて、ある種スタンダードになったわけです。プロ契約の少ない日本人ランナーでは、これに追いついていない限り、選手には履いてもらえません。箱根駅伝のようなナイキ現象が起こるのは予想できましたが、そのシェアは圧倒的でした。ナイキ、ナイキ、ナイキです。(シューズチェックは簡単でした!)

 

男女とも1〜2位は外国人ランナーでしたが、全員「ナイキズームXヴェイパーフライネクスト%」また、男性は外国人ランナーを含めた2時間10分以内(サブ10)を達成した28名のランナー中の26名(92.8%)、50位以内にゴールしたランナーの46名(92.0%)がナイキを着用していました。また、サブ10では17名、50位以内の半分がヴェイパーフライ、そして、50位以内のうち10名があの「ズームアルファフライネクスト%」でした。

 

出典:ナイキ.comより

 

とにかく圧倒的なシェアとなりました。しかし、右にならえの日本人、このシェアは喜びを超えて、ナイキさんすら怖いのではないでしょうか。

 

そのアルファーフライは東京マラソンレース後の正午に、一般ランナーの向けの販売がありました。マラソン2時間50分、3時間40分の完走データがNRC(ナイキランニングクラブ)のアプリに入っていることが主な条件でしたが、瞬殺、わたしも買えませんでした。そして、瞬時にヤフオクで10万円でその瞬間に余っていた28.5cm~31cmまでは売られていました(涙)。2時間50分のダフ屋なのか、3時間40分で男なのか?こういうことに必ずなりますよ。

 

しかし、それだけではなかったようです。恐らくもともと日本での販売足数は僅かであったと推察されます。

 

それもそのはず、その前日にあったアメリカの東京オリンピック代表を決める1発選考会、その名も”アメリカオリンピックトライアル”にて出場者全員に配布されたとのこと、それでは在庫があるわけない・・・700名強基準をクリアしていたはずですからね。

 

 

日本では設楽選手のように、アルファフライを選ばなかったのか、それとも提供されたなかったのか、そのあたりは選手でも差があったのかなと思いますが、機会平等ということで、出場者全員に配られたアメリカでは、そのうちの95人の女性と53人の男性がのるかそるかの運試し、当日にいきなりアルファフライを履いてレースに臨んだそうです。

 

ドリンクや習慣も含めて、レースで新しいことをするのは失敗のモトで、ランナーにする非常に初歩的なアドバイスの一つです。それがましてやシューズです。大きな賭けとしかいいようがないですよね。

 

男子は本命中の本命、G・ラップがアルファフライを履いて圧勝しましたが、2位のJ・ライリーはまさにその一人であったというから驚きです。彼はスタンフォード大学では将来を嘱望されるランナーでしたが、長い故障で鳴かず飛ばず、2019年のシカゴマラソンで10分台、30歳を過ぎて今回が自己ベストというノースポンサーのランナーのようです。ライリーにとってはまさにアメリカンドリームそのもの、賭けに出た甲斐あったというものです。

 

ちなみに、男子は、ラップに、ライリー、そして43歳のA・アブディラマンと1〜3位までがナイキでしたが、女子は、A・トゥリアムクが大方の様相を裏切る大番狂わせの優勝。2位のM・セイドルはまさかの初マラソンでした。J・ハーセイ、E・セッション、M・ハドルと言った大本命は下位に沈みました。

 

そして、トゥリアムクはホカオネオネ の選手、セイドルはサッカニーの選手です。その意味でも女子は、その日に発売されたカーボンロケットXを着用した選手が優勝し、2位がエンドルフィンプロであったことはメーカーもほっとしたことでしょうね。

 

つまり、これが象徴的な出来事で、アメリカの場合、完走した565名中、408名がナイキ、72.2%のランナーがナイキであったことは、それはやはり多いですが、配ってこれですから、日本のそれを比べる割合も少なくて、ブランドのバリエーションもあります。多様性とカルチャーの違うアメリカならでは、というわけです。まだ正当な競争原理が働き続けている印象がします。

 

出典:ランナーズワールドより

 

ちなみに、着用数の第2位はブルックス。これも日本市場と乖離していますよね。シェア10.4%で、59足のランナーが着用しました。その中の6名は、2/29に世界同時発売されたばかりのハイペリオンエリートではなくて、ハイペリオンエリート2を履いて出場というサプライズもありました。(アメリカでは4月に発売)色々びっくりです。そして、3位ニューバランス、4位ホカオネオネ は僅差で、サッカニーと続きます。

 

 

プロ選手は当然、スポンサーブランドを履きますので当然といえば当然です。しかし、ヴェイパーフライが認められた以上、それに近づけ、追い越せとばかりに、開発競争は激化しています。それでないと選手を失うことになりますし、また選手もそれに応えてくれる期待感でブランドも支えられているところはあるのでしょう。ですから、メーカーも何が何でもシェアを取り戻す感じです。ブルックスのように、ハイペリオンエリートを発売して、続けざまにエリート2を出したり、各メーカーもここが正念場です。

 

日本では、かつてミズノ、アシックスが大きなシェアを持ち、その後、アディダスがシェアに変化を与えて、現在ではナイキ独占状態になりつつあります。まさに現代版”黒船来航”ですね。世界的にはナイキ、アディダスのシェアがとてつもなく大きい訳ですから、ガラパゴスな日本市場が、世界標準になっただけの話です。

 

今回、東京マラソン、オリンピックトライアルの両方で、アシックスのメタレーサーは結果が出ませんでした。またミズノ至っては着用がゼロ。かつて90年代に繰り広げられたナイキAIRやアシックスアルファゲルのような”クッション機能戦争”で、日本のハリマヤ、アメリカのエトニックある一定の人気があったブランドが消滅しました。

 

今の”ナイキ独占”状況は、まさにそれを同じ局面に来ていると言えます。本当に正念場です。しかし、結局、他のブランドにとってみても、ナイキの本場、アメリカオリンピックトライアルに見た多様性にそのヒントは隠されているのではないでしょうか?まずは選手のためにも選択肢は必要ですし、ミズノではないけど、本気の反撃のときが今でしょうね。

 

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藤原商会代表:シューズアドバイザー 藤原岳久

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