箱根駅伝2020シューズ総括 青山学院大のやっぱり大作戦の正体 〜シューズアドバイザー日記〜

  • 2020.01.04 Saturday
  • 15:21

みなさん、あけましておめでとうございます。藤原商会代表:シューズアドバイザー藤原です。藤原の母校、東海大学は惜しくも2位、しかし、大健闘の2位だと思いますよ。

 

そして、戦前の予想通り、箱根駅伝選手のシューズシェアは、圧倒的にナイキ「ヴェイパーフライネクスト%」になりました。210名の出場選手中、177名、84.3%の学生が着用するという驚異のシェアになりましたね。昨年が41.3%であったことを考えるとナント倍です。(学連選抜も含む)

 

 

エキデンパック山吹色 128名が着用

ピンク 44名が着用、キミドリが4名、残り1名がヴェイパーフライ4%フラニット

 

写真:ナイキヴェイパーフライネクスト% 出典:ナイキホームページより抜粋

 

https://mg.runtrip.jp/archives/51646

参照記事: ラントリップマガジン藤原記事「MGC選手着用「ピンクシューズ」の実力。ナイキヴェイパーフライネクスト」

 

2020年箱根駅伝シューズシェア(表1) 往路

結果 大学名 ウエアスポンサー 1区 2区 3区 4区 5区
1 青山学院大学 ADIDAS NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
2 東海大学 NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
3 國學院大学 SVOLME NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
4 帝京大学 ASICS NB NIKE MIZUNO NIKE NIKE
5 東京国際大学 MIZUNO NIKE NIKE NIKE NB NIKE
6 明治大学 ADIDAS NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
7 早稲田大学 AISICS NIKE ASICS NB NIKE ADIDAS
8 駒沢大学 NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
9 創価大学 MIZUNO NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
10 東洋大学 NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
11 中央学院大学 ASICS NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
12 中央大学 NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
13 拓殖大学 NEWBALANCE NIKE NIKE NB NB NB
14 順天堂大学 DESCENTE NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
15 法政大学 MIZUNO NIKE NIKE ADIDAS NIKE MIZUNO
16 神奈川大学 MIZUNO NIKE NIKE ADIDAS ASICS ASICS
17 日本体育大学 MIZUNO NIKE NIKE NIKE NIKE ASICS
18 日本大学 MIZUNO MIZUNO NIKE NIKE MIZUNO NIKE
OP 関東学連選抜   NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE
19 国士舘大学 MIZUNO NIKE NIKE NIKE NIKE MIZUNO
20 筑波大学 DESCENTE NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE

 

2020年箱根駅伝シューズシェア(表1) 復路

結果 大学名 ウエアスポンサー 6区 7区 8区 9区 10区 NIKE着用数
1 青山学院大学 ADIDAS NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE 10人
2 東海大学 NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE 10人
3 國學院大学 SVOLME NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE 10人
4 帝京大学 ASICS MIZUNO NIKE NIKE NIKE NIKE 7人
5 東京国際大学 MIZUNO NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE 9人
6 明治大学 ADIDAS ADIDAS NIKE NIKE NIKE NIKE 9人
7 早稲田大学 AISICS NIKE NIKE ASICS NIKE NB 5人
8 駒沢大学 NIKE NIKE NIKE NIKE NB NIKE 9人
9 創価大学 MIZUNO ADIDAS NIKE MOZUNO NIKE MIZUNO 7人
10 東洋大学 NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE 10人
11 中央学院大学 ASICS NIKE NIKE NIKE NIKE ASICS 9人
12 中央大学 NIKE NIKE NIKE DESCENTE NIKE NIKE 9人
13 拓殖大学 NEWBALANCE NIKE NIKE NIKE NIKE NB 6人
14 順天堂大学 DESCENTE NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE 10人
15 法政大学 MIZUNO NIKE ADIDAS NIKE NIKE ADIDAS 6人
16 神奈川大学 MIZUNO NIKE NIKE ASICS NIKE NIKE 6人
17 日本体育大学 MIZUNO NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE 9人
18 日本大学 MIZUNO NIKE NIKE NIKE MIZUNO NIKE 7人
OP 関東学連選抜   NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE 10人
19 国士舘大学 MIZUNO NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE 9人
20 筑波大学 DESCENTE NIKE NIKE NIKE NIKE NIKE 10人

 

 

これはある程度予想できましたが、区間1位〜3位では30名中、28名の93.3%がVFN%を着用とほぼ制圧してしまいました。往路では8人、復路では5人が区間新と記録を大きく更新、また、大学別でも往路が4校が往路新、復路では東海大が復路新と好記録ラッシュであったこともあり、気象条件も良かったこともありますが、やはり、シューズの影響ではないか?という話になってしまいますよね。

 

2020年大学別着用率(表2)

  1区 2区 3区 4区 5区   6区 7区 8区 9区 10区   total
NIKE 19 20 16 17 15 87 18 20 17 19 16 90 177
  90.5% 95.2% 76.2% 81.0% 71.4% 82.9% 85.7% 95.2% 81.0% 90.5% 76.2% 85.7% 84.3%
asics 0 1 0 1 2 4   0 2 0 1 3 7
  0.0% 4.8% 0.0% 4.8% 9.5% 3.8% 0.0% 0.0% 9.5% 0.0% 4.8% 2.9% 3.3%
adidas 0 0 2 0 1 3 2 1 0 0 1 4 7
  0.0% 0.0% 9.5% 0.0% 4.8% 2.9% 9.5% 4.8% 0.0% 0.0% 4.8% 3.8% 3.3%
NB 1 0 2 2 1 6   0 0 1 2 3 9
  4.8% 0.0% 9.5% 9.5% 4.8% 5.7% 0.0% 0.0% 0.0% 4.8% 9.5% 2.9% 4.3%
MIZUNO 1 0 1 1 2 5 1 0 1 1 1 4 9
  4.8% 0.0% 4.8% 4.8% 9.5% 4.8% 4.8% 0.0% 4.8% 4.8% 4.8% 3.8% 4.3%
デサント 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 1
  0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 4.8% 0.0% 0.0% 1.0% 0.5%
               
  21 21 21 21 21 105 21 21 21 21 21 105 210

 

 

ナイキのウエアサポートをしている大学は4校中、東海大と東洋大2校だけであったが、10人全員が、VFN%を着用した大学は7校(表2参考)あったのであるが、大きなサプライズは、その中の一校が、アディダスサポートの青学だったことです。

 

原監督の”やっぱり大作戦”は、全員がVFN%を着用するという、その”やっぱり”も含めてだったのか?と本当に驚かされました。

 

もちろん他に意味があったのでしょうけど、これは、冗談抜きで、チームとしての戦略だったと考えざるを得ません。チームスポンサーは「アディダス」で、「ナイキ」と世界シェアを争うライバルの企業です。そして、3連覇をしている間、ブランドとの結びつきは、アマチュアスポーツを超えた蜜月ぶりでした。12月の上旬にリリースされた「エバーグリーンパック」は、色褪せることのないエバーグリーンをあしらったシューズ、いわば「青山学院大学応援モデル」でした。

 

 

写真:アディダスアディゼロセン6  →いいシューズですよ 出典:アディダスホームページより抜粋

 

https://media.alpen-group.jp/media/detail/running_191229_01.html?yclid=YJAD.1578118188.S5eY20Odcq0sKPn04YoR8TAKw4UKJyKzygBS4AardqXAafBJdi3vU.JjK8PqWGDyceFJmQ00l6B7veQ-

参考記事: アルペンマガジン藤原記事「アディダスがシューズクリエイターとともに放つ逆襲の一手」

 

 

出雲・全日本と、今までは、アディダス着用選手がほとんどでした。ちなみに昨年は1区を走った橋詰選手は、本番だけナイキからアディダスに変えたぐらいです。9区を走った吉田圭選手以外は全員アディダスでした。それぐらい結びつきは固く、揺るぎないものに思えました。

 

しかし、今年の箱根駅伝では、特に1年生の2区岸本、キャプテン3区鈴木をはじめ、5区飯田、8区岩見、10区湯原あたりは、駅伝ではアディダスしか着用してない選手がVFN%を着用しました。

 

これは、最近の世界的な潮流である「ナイキ現象」と、去年の敗戦もあったかと思いますが、決定打は、「全日本駅伝での敗戦」であったと推測されます。戦前の5強と言われる大学の中で、青山学院以外の4校は、チームウエアがナイキであったり、メインがウエアのブランドであったり、VFN%を履けるようなスポンサー環境でした。現に本番でも東海大、東洋大、國學院大は100%VFN%(駒澤大学はひとりがハンゾーでしたので9人)着用しています。

 

「うちだけが潮流に遅れ、不利で良いのか?」「同じ条件であれば、負けない」

という考えがおきても確かに不思議ではありませんよね。

 

直前のタイムトライアルなどでVFN%を履く多くの青学選手たちの写真が露出して、いよいよその本気度が、実は伝わってきてました。そして、本番のサプライズだったわけで、そう、だから、まさに”やっぱり”だったわけです。

 

VFN%旋風が吹き荒れた2020年の箱根駅伝でしたが、青山学院大学が当日使ったことでも分かるように、シューズが助力になったことは明らかですね。シューズの機能面、プラシーボ的精神面の両方で作用したのではないでしょうか。もしかしたら、選手の自主性を重んじる原監督のことですから、学生自身が決めたのかもしれません。しかし、これで少なくとも選手の精神状態は落ち着いて、対等に戦える感覚にはなったことでしょう。

 

写真:世田谷ハーフマラソンで優勝飯田選手を含め、着用者が圧倒的に多かった青山学院

 

アマチュアスポーツなので、この決断はアディダスさえしょうがないと思えるなら、本当にしょうがない問題ですが、しかし、チームスポンサーですからね・・・金銭も発生していることと思われ、だいぶ問題があるような気がします。ましてや「エバーグリーンパック」のコマーシャルとしては大失敗です。それでも問題になりにくいのが、日本の選手とブランドの間の”緩い”結びつきなんでしょう。

 

ニューイヤー駅伝でもアシックスのサポートを受けていたMHPSの井上選手が、駅伝直前あたりから、VFN%に変更していました。彼も、青山学院大学の学生のように、MGCでの敗戦で決断したと思われます。

 

もちろん、海外でもこういう選手が、IAAFにVFN%の禁止を訴えるぐらいですから、たくさん出てきているのですが、しかし、海外選手の場合対応が全く違います。彼らは、プロフェッショナルなので、金銭的な問題もあり、井上選手クラスの選手であれば、わからないようにVFN%に黒塗りするなり、ペイントするなりして、スポンサーに配慮をするのが当然です。まあ、大体リークされて、結局バレるんですけどね(笑)。それにしても、彼らにとってはスポンサーからの収入がなくなるのは死活問題、プロ選手とアマチュア選手という構造的な違いが大きいのでしょう。

 

出典:インスタグラムより

 

つまり、日本の選手は、一部のプロ選手以外、スポンサーと金銭が発生するような契約ではないことがほとんどです。そんな一部を除いてトップ選手でさえしがらみがないスポンサー関係であれば、210名の学生が、色んなシューズ履いてもいいもんですが、これが箱根駅伝という世界は、まさに「籠の鳥」、その中での独特な世界観が存在します。

 

210名が全員が世界や日本のトップを目指しているわけではなく、ましてや、逆に、箱根駅伝が最終目標の選手もいるでしょう(それだけもとてもすごいですけどね)。210番目の選手は、当然トップの選手に影響されVFN%を履きます。これはちょっとニュアンスは違いますが、青山学院大学にもチームとして働いたベクトルです。そして、トップを目指すランナーたちは、世界のアスリートに大きく影響を受け、VFN%を履いています。つまり、ピラミッドのような関係性が、箱根駅伝出場者の中でもあり、まさに「籠の鳥」なわけです。

 

これが2020年は、VHN%を177名、84.3%の学生が着用したことになったとも、つまりは、その力のベクトルが働いたわけです。

 

では次回、その他のブランドのシューズを選んだ選手のを取り上げます。

題して、「2020年箱根駅伝シューズ総括 王者ヴェイパーフライに挑んだミズノ」をお届けする予定です。

 

〜ジャストフィットのお手伝い〜

藤原商会代表:シューズアドバイザー 藤原岳久

https://www.f-shokai.com

 

ランニングショップコンセプトをご利用になりませんか?

〜シューズ選び、その使い方のコツをお伝える「お買いものツアー」

https://www.f-shokai.com/お買いものツアー随時開催中/

1月も開催!

1/16 18:00- 21:00 1名

1/18 12:00- 15:00 2名

が募集中です。

 

2月もスケジュール発表してあります。

 

 

藤原商会 シューズを使いこなすイベントはこちら

https://www.f-shokai.com/イベントスケジュール-1/

 

 

藤原商会オフィスオープン(営業時間)はこちら

”ほぼ毎週水曜、木曜、ときどき土日 ”

https://www.f-shokai.com/藤原商会について/藤原商会店舗オープン時間/

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< January 2020 >>

Buy Shoes

Buy Shoes

Buy Shoes

selected entries

categories

archives

recent comment

  • アシックスの変わらなきゃ、の本気度 〜シューズアドバイザー日記〜
    オニツカ (01/05)
  • 日本人選手よ!トラックで何故ヴェイパーフライを履く・・・〜シューズアドバイザー日記〜
    トム (10/08)
  • LSDは最も重要なトレーニング 〜シューズ アドバイザー藤原の目指せ!48歳2時間半ギリ!〜
    浩司 (01/19)
  • マラソン大会”ブランド枠”はランナーのため 〜シューズアドバイザー日記〜
    shinichiro handa (03/18)
  • 2018年箱根駅伝シューズシェアとそれが意味するもの〜シューズアドバイザー日記〜
    ハマダコウスケ (01/13)
  • ブレイキング2がもたらしその成果 その1 〜シューズアドバイザー日記
    Koidhi Suzuki (05/10)
  • オリンピック惨敗、マラソン日本選手のシューズ習慣〜シューズアドバイザー日記
    まー (09/24)
  • レーシングシューズは人と一緒でなくていい! 〜シューズアドバイザー日記〜
    藤原 (05/25)
  • レーシングシューズは人と一緒でなくていい! 〜シューズアドバイザー日記〜
    8男 (02/24)
  • Nike Zoom Structure19 シューズレビュー 〜シューズアドバイザー日記〜
    松井 徹 (12/08)

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM