ブレイキング2がもたらしその成果 その1 〜シューズアドバイザー日記
- 2017.05.10 Wednesday
- 12:26
こんにちは、シューズアドバイザー藤原です。
すごかった。本当に出ましたね!目標であったブレキング2(サブ2)はできませんでしたが、現在の世界最高記録2時間2分57秒を2分32秒も上回る2時間00分25秒!サブ2よりも、かえってリアイティーがある夢の記録だと思いました。リオオリンピックチャンピオン、エリュウド・キプチョゲは、また新たな歴史に名を刻みましたね。
しかし、このイベントには賛否があることは分かっています。公認大会ではないし、出場している選手が3名と異例のタイムトライアルです。給水も自転車で並走のナイキスタッフからの手渡し、ペーサーも約5K毎に交代して(正確には、約半分の距離で半数が入れ替え)確実に2分50秒は保たれました。ペーサーは、大阪世界選手権5000m金メダリストバーナード・ラガトはじめ、ナイキバウワーマンクラブの選手もたちなど、オールナイキでのイベントといった感じです。
結局、賛否の否の多くは、ナイキというシューズメーカーが主催した実質的な、6月にローンチ(発売)するズームバイパーフライ4%の宣伝イベントではないか?とそこに引っかかるというそういうことなのでしょう。
ただ単純にワクワクしたことは間違いありません。とにかくワクワクしました。それもレース前から心踊らされました。更に、出た記録がすごすぎて、自分の中で結果をしばらく消化できなかった。遠足の帰りのような「遠足ロス」ならぬ、「ブレイキング2ロス」。イベントが終わること自体なんか寂しいくらいです。そして、それは、日本最高記録の2時間6分がまた世界と遠のいた瞬間でした。
そして、シューズローンチのイベントとしてはどうでしょうか。かませ的な2人タゼッセとデシサは、キプチョゲを同じシューズを履いて走りましたがパッとしませんでした。(といってもタゼッセは2時間6分台!キプチョゲの偉大な記録へのシューズの効果は、今後の主要マラソン大会でのトップアスリートへの宿題となった感はあります。
でも、わたしは、シューズメーカーの宣伝上等!と思いましたね。シューズを発売する上でのシューズ開発からのストーリーを露出しての大掛かりなイベント、こんなイベントをマネできるメーカーは皆無だと思います。
普段マラソン中継を見ない方が、「マラソンってこんなにスピード感があってワクワクするんですね」と言っていました。勝負以外の興味、記録達成として限界に挑戦したこのイベントは、逆にマラソンのイベントとして、大いにありなのでは?と単純に思いました。
それも良く考えてみると、ポーラ・ラドクリフの世界最高記録は、男子の引っ張られ、それに近いシチュエーションだったろうし、トラックレースでのペーサーも今回と条件は違う(途中で交代して走るということはない)にしろ、結局ペーサー自体のイベントへの貢献は少なくありません。
また、いくら同じ条件を設定したとしても、キプチョゲが出したこの偉大な記録を果たしてどれくらいのランナーが達成できるでしょうか?もしかしたら彼一人かもしれませんしね。それぐらいキプチョゲは、純粋に、真剣にこのイベントに合わせてきた。
ナイキというスポーツブランド、そしてキプチョゲ、それ記録達成をアシストしたペーサー選手を含めたリアルマッコイ(本物)な選手たちとの共同作業だったわけです。そのどのピースが欠けても成立しなかったでしょう。そして、シューズを含めてあらゆる要素を考えて、選手の限界を引き出すという意味でも、単純にイベントとして、とても魅力的なレースイベントであった、そして今までなかった。これは間違いありません。
主要マラソンイベントはプロ化され、賞金稼ぎで生計を立てるケニア・エチオピアランナーがたくさんいます、その中でメーカーのスポンサーシップは欠かせないものになっています。そもそも、みなさんもお気づきでしょうが、主要大会のほとんどが、ナイキ対アディダス、その構図です。選手たちは、それぞれのユニフォームとシューズを身に着け、それはときには、新商品、ときには開発中の商品だったりと、その露出、そして商品宣伝を含むマーケティングに大いに貢献しているわけです。
つまり、現状でも主要大会は、実質シューズメーカーの宣伝に貢献しています。今回のナイキのように、それならもっと派手に、自分たちの成果の出やすいカタチでというのは自然な流れだと思うし、記録を達成してみたい選手ともその利害が一致したのでしょう。(もちろん膨大な金額が動いたでしょう)そしてファンも見たい、単純に。次は、是非アディダスにもやってもらいたいですよね。ブレイキング2という宿題は残ったわけですし、キプサングも相当やってくれそうな予感がします。
とにかく、今回のタイムトライアルが、マラソンレースとしてのマネージメントを含めて、これからのシューズメーカーのレースへのスポンサーシップ、そのやり方の概念に影響を与えることは間違いないと思います。
さて、次回はそのレーシングシューズのズームベイパーフライが、壊したレーシングシューズの常識について考えます。
〜ジャストフィットのお手伝い〜
F・Shokai 【藤原商会】シューズアドバイザー 藤原岳久
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Breaking 2イベント終了後、SNSにアツプされていた賛・否多くの話題も含めて、今ふうな手法・手段なんだと思います。
OKA oneone Bondi 5 は抵抗あるけど、NIKEなら試してみたい・・って・・まんまとハマっています。