2018年箱根駅伝シューズシェアとそれが意味するもの〜シューズアドバイザー日記〜

  • 2018.01.04 Thursday
  • 23:41

みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー藤原です。

 

箱根駅伝は結局、青山学院大の横綱相撲、終わってみれば圧勝でした。我が母校、東海大は戦前の予想を大きく下回る、各区間で出入りの激しい駅伝になってしまいました(涙)

 

さて、今年の箱根駅伝のシューズシェアは表の通りです。2017業界の話題を独占し続けた「ナイキ」がシェアで初の1位、「ミズノ」が大きく落としてしまいました。

 

 

そして、元旦に発表された、あの三村仁司氏の「ニューバランス」専属アドバイザリー契約のニュース、これはサプライズでした。その” 三村氏お抱えの選手たち ”が、一緒に「アディダス」から「ニューバランス」に移動した結果、アディダスはシェアを減らし、一方、ニューバランスは12.4%と一気シェアを急拡大した形になりました。

 

しかし、シェアは落としたものの、優勝校をサポートしているアドバンテージは大きく、復路は特に画面を独占し続けた露出の多さもあり、視聴者の目にはオレンジカラーが目に焼き付いたはずです。8区を走った下田選手以外「タクミセンブースト3」のニューカラーで統一されていました。(下田選手は三村NBでした)

 

タクミセンブースト3

かつてのRC150風のミムラボニューバランス

 

一方首位のナイキは、往路優勝した東洋大が、全員がナイキと徹底されていて、そして、56区以外の選手は、全員「ズームベイパーフライ4%」着用と商品露出もダントツでした。そのベイパー、1区、2区はそれぞれ21名中6名が着用していて、それは、その区間の3割弱になりますから、かなりの露出になりました。そして、2日、3日の“その直後”の4日、オフィシャルショップで同シューズが再入荷と、スケジュールは偶然にしても、タイミングが良すぎるぐらいだったのもさすがです。

 

東洋大一色のナイキ原宿店頭ディスプレイ

ズームベイパーフライ4%

 

区間順位が各区間1〜3位までの選手が着用していたシューズシェアも「ナイキ」がダントツのシェア40%でした。東洋大の活躍が目立った往路は実に53.3%、そして、往路復路全体で、なんと12人(30人中)が「ベイパーフライ4%」を着用しました。

 

さて、今回、ナイキシェアが1位になったことはとても大きな出来事ですが、実は、もうひとつ箱根駅伝でのシューズ慣習を壊す大きな出来事がありました。それは、日本企画ではないレーシングの着用が圧倒的多数になり、ナイキ内では日本企画がマイノリティーになったことです。

 

インターナショナルラインである「ズームベイパーフライ4%」が、ナイキ着用32人中半分。また、「ストリーク6」という別のインターナショナルラインを合わせると、8割弱がインターナショナルラインのシューズでした。実に2割強のみが日本企画レーシングという状況で、これは前例のないことですし、未だに他のブランドではあり得ないことなのです。

 

ストリーク6

 

アシックスは着用54名の選手が履いているシューズすべてが、ソティーマジック系の日本企画レーシングです。インターナショナルモデルのゲルハイパースピードは皆無です。(最近は、実業団に移った青山学院大卒の一色選手が履いているようですけど)

 

 

これは昨年も書きましたが、箱根駅伝参加210名の選手が、実はたった5社のシューズしか履いていません。その5社には共通点があり、アシックス、ミズノはもちろんですが、ナイキ、アディダス、ニューバランスも、日本企画レーシングを商品として展開をしていることです。もしかすると、日本人選手の保守性と監督コーチの硬い信念がそういった参入壁を作っていたのかもしれません。

 

今回こういう状況のナイキでさえ、2016までは選手が、日本企画レーシングしか履いていいません。それが、2017から、ようやくストリークというインターナショナルラインが散見できるようになったぐらいです。

 

日本専用や日本人の好みに合わせた日本企画の商品をわざわざ用意するのではなくて、ブランドがインターナショナルで展開しているものを、そのまま日本人選手が着用する、そういったことが、もし今後も起き続けるのであれば、上記5社以外のブランドの参入壁がかなり低くなる可能性もあります。

 

日本人には、日本人企画のレーシングという凝り固まった考え方を、若い選手から消えさせた、これが、今回のナイキが箱根駅伝でのシェアを独占の大きな功績だと感じています。結局、このムーブメントは、大迫傑選手の影響が大であることは言うまでもありません。

 

ただ、伝統的な日本企画が悪いわけでは全くありません。とてもすばらしいシューズばかりです。逆を言えば、日本企画でもいいです。サポートブランドとの関係性、それとプロ意識を考えたとき、やはりそんな選手は、将来大成しその結果も良いのではないかと思うのです。箱根駅伝がマラソンを弱くさせているのではなく、取り巻く環境がそうさせている。そう思っています。甘やかされるのか、厳しいセミプロ的な環境が構築されるのか、これは大きな違いです。現実的には箱根駅伝の選手は、半分はアマチュアですが、半分はプロですからね。

 

ですから、固定観念的なそんな”こだわり”を選手たちが捨てたとき、サポートされるブランドのシューズをサポートされている側が単純に受け入れることができるでしょう。そして、それがテレビなどで露出し商品が売れるといった、そこにはある種のビジネス的な側面が生まれ、また同時にそのブランドに対する熱い思いも交差するといった、そんなブランドとの関係性が構築されるのだと思います。

 

エリウド・キプチョゲやウィルソン・キプサング、大迫傑のような本当のプロは、みなそんな選手たちですからね。インソールがレース途中で出てしまったって、キプチョゲはいまだにナイキです。

 

実は、ほぼ毎回ですが、山梨学院大はウエア、シューズともに全員「アシックス」です。上田監督の影響も大きいのでしょうが、実業団になっても例えば、MHPS井上選手などその関係性が継続しています。良い関係性だと思っています。

 

当然、大学生がプロである必要はない(もしくはアウト)けれど、そういった関係性を将来作っていく上で、今回のナイキのシェア1位とその選手との関係構築プロセスは、本当に大きかったかもしれません。

 

もしかすると将来、アメリカのニック・ウィルスのようにブルックスしか履かないという選手(彼はアメリカ代表としてナイキのユニフォームを着ることを拒否した)やホカオネオネのマキシマムクッションを使って山を下るような選手が出てくるかもしれません。

 

そういう意味で、インターナショナルラインが選手に受け入れられることは、とてもいいこと、各ブランドにとっても格好のチャンスになるかもしれませんね。

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コメント
はじめまして。
大阪で陸上競技をしている濱田と申します。
授業で行うプレゼンテーションの課題で、
「厚底vs薄底」というのをしようと思っています。
そこで、2015年以前の箱根駅伝で履かれたシューズのメーカーを知りたいのですが、ご存知ではないでしょうか?
また、教えて頂くことはできますでしょうか?
  • ハマダコウスケ
  • 2018/01/13 10:25 AM
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