ドラマ「陸王」のシューズ世界観と現状比較 〜シューズアドバイザー日記〜
- 2017.12.22 Friday
- 11:23
みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー藤原です。
TBSドラマ「陸王」いよいよ日曜日最終回ですね。役所広司の演技に引き込まれますが、とにかく、一番ランナー的に気になることとしては、竹内涼真さんのフォーム。
「ミッドフット走法」がテーマというドラマで見事ランニングフォームという視覚的な部分でも視聴者を魅了しました。跳ねたフォームだと嫌う専門家もいるかもしれませんが、力の伝達も良く、とても運動神経の良い方なんだなあ、って感心しました。
カラオケでストレス発散しているCMは仮の姿なんですね。
さて、ドラマの中、陸王完成までのプロセスで、「アッパー素材」と「ソール素材」が大事なテーマとして出てきます。タチバナラッセルのメッシュ素材とシルクレイソール。ドラマ中、シューズの描写としては欠かせないテーマでした。
さて、実際の現状はどうかというと、シューズは、はるかに進化していると言わざるを得ません。タチバナラッセルがなくても良いレーシングは作れます(笑)
古くは、キャンパス、そしてナイロンでしたが、画期的なメッシュ素材ができ、軽さや通気性が改善されて行きました。
そして、その潮流は「ニット」技術に変わっていきます。そうです、あの編む、ニットです。ニット技術がシューズのアッパーに革新をもたらしています。
例えば、ブレイキング2の“キプチョゲモデル”ナイキベイパーエリートは、ニットアッパーです。ナイキが最初にニットアッパーシューズ“フライニット”を発表しましたが、今では、アディダスはじめ、どのブランドも1品番は発売している現状です。
何故か?「縫う」から「編む」の技術の変化により、縫製がなくなり、足あたりが大きく改善されます。これを「シームレス化」と呼んでいて、「ニットアッパー」が次世代アッパーに、ニットがなるのか、ならぬかにせよ、どちらにしても、シームレス化は大きなシューズの目標です。(メッシュ素材などを縫わずに立体的にする「エンジニアードメッシュ」という技術もあり)
そして、ニット化することで、手作業の工程がなくなります。シューズメイキングのフルオートメーション化に欠かせないプロセスだとも言われます。
アディダスがシューズフルオートメーションファクトリーを作り、第四次産業革命を起こすと豪語している背景にもこの技術は欠かせないわけです。
現実には、タチバナラッセルのメッシュよりも、こはぜ屋の縫製技術が時代遅れになる可能性もありますね。
〜ジャストフィットのお手伝い〜
F・Shokai 【藤原商会】シューズアドバイザー 藤原岳久
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