Mizuno Wave Rebellion Pro2 (ミズノウエーブリベリオンプロ2)は速く走る概念への挑戦だ
- 2023.12.11 Monday
- 10:00
2023/12/11
□Mizuno Wave Rebellion Pro2登場
テーマは『スピードは反発に宿る』あの Wave Rebellion series(ウエーブリベリオンシリーズ)のニューモデルが発表された。
MIZUNOの発表会に行ってきました!!
イベントの様子はYouTubeショート動画にてご覧になれます↓
https://youtube.com/shorts/fyAAB3wMxBg?si=fgbdbZjHEr49PT2I
中でも大きな注目はWave Ribellion Pro2(以下:リベリオンプロ2)のアップデイトだ。このモデルは、一言で言って"サプライズ"塊。ルックス、そして、その走り心地、すべてにおいてそう。
この形状で、なんとワールドアスレチックス(以下: WA)のシューズルールの基準を当然満たしているので、選手はレースで使用出来るが、計測するところによっては50mm以上の厚みがあり、まさに2017年に"発明"された“速く走る概念“にすら挑戦状を叩きつけるような機能性のMizunoのスーパーシューズ、それがリベリオンプロ2と言っていいだろう。
リベリオンプロ2と同時にWave Rebellion Flash2(ウエーブリベリオンフラッシュ2 以下:フラッシュ2)とWave Rebellion Sonic2(ウエーブリベリオンソニック2 以下:ソニック2)も発表された。
スピードランニングにおけるスムーズネスをあらゆるランナーに追求したラインナップで、フラッシュ2は構造的にも市民ランナーの味方、こちらのアップデイトも注目したい。
□スーパーシューズの要素をさらに強めたモデルになった
とにかくトップモデル、リベリオンプロ2は、あの前モデルと比較しても、スーパーシューズのスーパーシューズたる要素をさらに強めた形になっているから驚きだ。
最強ナイロン分子のPEBA(ペバ)ベースのミッドソールで上層部Enargy Lite Plus(エナジーライトプラス)は構成されて、下層部のEnargy Lite(エナジーライト)もスーパクリティカルフォームで生成、容積として32%アップする単純に素材自体のバウンドも高まる構造になった。
リブデザイン、中速部巻き上げ構造の6倍の剛性になったカーボンファイバープレートが間にサンドイッチされ、スーパーシューズとしての“パーツ“は大いに強化された。
さらに、彼らがそれらに次ぐ第3の機能と呼ぶ、踵がないデザイン、オリジナリティー溢れるルックス『スムーズスピードアシスト』を見直したこと、これがアップデイトキーであり、ポイントはその傾斜角度だ。
□スムーズスピードアシストを再設計
初代リベリオンプロは、今年の1月2日箱根駅伝の当日に発表される学生に向けたプロモーションであったが、残念ながら本戦でのこの商品着用者がゼロ(Mizuno着用者は1名)に終わる苦渋を舐めさせられた。
今回、100名を超える選手のヒアリングを経て、結局、彼らの距離走ペースのキロ3分40秒にハマっているが、トップスピードでは感触が良くないことが判明したのだ。果たして、その角度を学生ランナーのトップスピード、キロ3分に再調整、スターティングブロックの上に乗ってそのまま走るような感覚の傾斜のこの大胆な設計になったわけだ。
早速履いてみると、ハイヒールのように踵が上がり、まさに“つま先立ち“の履き心地。なるほどそれがキロ3分の角度か、具体的には、この角度、発売済モデルWave Duel Pro(ウェーブデュエルプロ)の傾斜角と同じということ。なるほど、あのときの衝撃が蘇る角度だ。
それゆえ、ふくらはぎに負担がかかるなイメージだが、これが不思議なもので、走り出すとふくらはぎに負担感はまるでない。これが『スムーズスピードアシスト』だ、面白い。
□速く走れてしまうシューズ、リベリオンプロ2
結局、シューズの1番盛り上がったポイントが実質“踵“になり、走行時はそこで安定。支持するポイントと足首の位置の関係からテコの原理が働き、ふくらはぎの負担も軽減させる原理だ。
そして、もう1つ、中速部巻き上げ構造のソールからも部分的に見えるカーボンファーバープレートがそのポジションでの安定をさらに強化する構造になった。つまり、キロ3分の強い前傾角度を保ったまま、そのポジションで安定する構造という事になるということだ。
通常のスーパーシューズではカーボンファイバープレートは前傾を誘導するようなレバーのような役割と蹴り出し安定を作っているが、まさにこのリベロンプロ2では、ランニングの着地時に踵が落ち込むような後傾するポイントをカーボンファイバープレートがフォロー、まさに蹴り出しの安定感に特化したものになっていると言えよう。
走りだすとスターティングブロックの上に乗ったまま、どんどん前に押されて、まさに"速く走れてしまう"そんな推進力、初代リベリオンプロとは推進力が全然違う。
□ミズノ開発人材の若返り、フットワークの良さ光る
こんな大胆な発想は、若返りしたミズノの開発に関わる人材が生み出している。先月末に開催された北米最大の見本市 THE RUNNING EVENT(ランニングイベント)にも単身乗り込み商品のプロモーションを仕掛けるなど、そんなフットワークが良いそんなチームから生まれた柔軟な発想の商品がリベリオンプロ2と言えるだろう。
今回は悲願、箱根駅伝での着用は、機能性を背景にきっと叶うのであろうが、とは言え、市民ランナーは、この“スタブロ““ハイヒールスタイル“を履きこなせるのかどうか、という一抹の不安は払拭できない。
リベリオンプロ2同様に、Mizuno Enargy Lite Puls(ミズノエナジーライトプラス)が上層に配置されて強い反発弾性を生み出す。違うのは下層がウエーブライダー27に搭載されているMizunoEnargy(ミズノエナジー)であること、それらがサンドイッチしているのがナイロンにグラスファイバーを含水させたTPUのMizuno Waveプレートであることだ。プレートは幅も変えて、より安定することを選んだ作りになっているのだ。
つまり、反発弾性の強い素材と安定要素の強い素材のハーフハーフミッドソールにして、“スピードが出過ぎない“構造、むしろ、ある一定のスピードを安定させるモデルと言っていい。グラスファイバープレートもコントロールしやすい素材だ。
これはアスリートからすると耐久性もある距離走用シューズだが、市民ランナーにとっては、前半を“速く走れしまう“シューズではなくて、距離全体をコントロールする、ある程度のスピードを安定させる、サブ4は達成して、その上の目標を達成したいというランナーのニーズ、市場トレンドを掴んだ素晴らしい選択肢になるだろう。
価格も18700円、このモデルは、ちょっと高い目標を持った市民ランナーに高評価が間違いないだろう。
□リベリオンシリーズが待ちきれない
箱根駅伝前の12/22にまずリベリオンプロ2が発売されて、年をあけて、リベリオンフラッシュ2とテンポアップモデル、ソニック2は1/19に発売される。
リベリオンプロ2は、絶対スピードのキロ3分のみの使用ではもちろんなくて、そのランナーの相対スピードで速いスピードを応援してくれるモデルあることを追記しておこう。絶対スピードなら4分台、サブ3ランナーまでをイメージして作っているという。
フルマラソンの4時間前後の目標達成のためなら、それは愚策になる。リベリオンフラッシュ2を選んだ方が良い結果が得られるだろう。こちらは5分台までを想定してる。ただ、後半に課題があるならWave Rider 27(ウエーブライダー27)だっていい。
この“速く走れちゃう機能性“は、フルではなくて、ハーフだったり、10Kや5Kだったり、工夫すればもっと多くのランナーが履けるということになる。箱根駅伝で学生がリベリオンプロ2を履いているのと見て、買ってしまいたいと思ったら買って5Kを頑張ってみるのももヨシだと思う。
どこまで消えない不安な感覚は、2017年のあのときと同じだ。もしかしたらこれは大いなる進化かもしれない。発売後は私もこのリベリオンプロ2を履いてレースを走りたい。今からリベリオンシリーズの発売が待ちきれない。
Mizuno ホームページ
Mizuno Wave Rebellion Pro2 予約サイト
https://jpn.mizuno.com/ec/disp/attgrp/U1GD2417/_
Mizuno Wave Rebellion Flash2 予約サイト
https://jpn.mizuno.com/ec/disp/attgrp/J1GC2435/
Mizuno Wave Rebellion Sonic2 予約サイト
https://jpn.mizuno.com/ec/disp/attgrp/J1GC2430/
シューズのカテゴリーなど詳細は、「FS☆ランニングシューズガイド2023-2024」を参照ください